2021/05/10 15:25

当店のコーヒー抽出器具はひと打ちひと打ち金槌を握って打って、それから仕上げの工程まで ほぼ全て手作業で作られています。

ドリップポット(墨×チークハンドル)を例に、奥正信(おくしょうしん)の商品の魅力やお手入れの方法など、ご紹介します。


「墨」仕上げ。銅はもともと時間が経つにつれ、空気中の酸素と反応して飴色から黒色に変化してゆきますが、その状態を早送りで再現した仕上げです。使い込むうちにここから更に深みが増してゆきます。場合によってはよく触れるところや熱が加わるところなど、部分的に色が変わってくることもあるでしょう。それをぜひポジティブに「世界に一つだけのポットに育った!」と楽しんで頂けたら嬉しいです。


注ぎ口はドリップしやすく細く仕上げています。内側には錫を引いてあります。
錫引きとは、、、
下の写真のように溶けた錫を流し込み、内側全体にコーティングしています。

錫は昔から食器として使わて来ており人体への安全性が保障されている素材であること、錫器に入れた水は腐りにくいと言われていること、飲み物の味をまろやかに美味しくしてくれることなど、魅力いっぱいの素材です。
落ち着いた光沢のある色もコーヒーを引き立ててくれます。

さきほど錫を引いている写真をご覧になってお分かりだと思いますが、手で流しているので当然ムラと言うか流した跡というか、工業製品のようにツルっとはしていません。この痕跡を愛しいと思ってくださる方に是非、使っていただきたいです。
使っている中で色が変わったらイヤだとか、均一でないものはイヤだと思う方にはおすすめしません。

フタの内側も錫引き

最後にお手入れについて。
持ち手とフタのつまみは3種類どの木材もオイル仕上げになっていますので、時々油分を補うことで乾燥による劣化を防げます。そしてどんどん味が出てきます。ご家庭にあるオリーブオイルでOKですので、“育てる感覚”でお手入れして頂くと愛着が沸いてきます。
本体部分は使用後は水分をよく拭いて保管してください。

できる事ならぜひ手に取って見ていただいて、隅々までよく見て納得して購入していただきたい商品です。
ご検討中の品がありましたら「ここの部分の写真が欲しい」など、何でもお伝えいただければ嬉しいです。
喜んでお応えさせていただきます!